<引用・参照/読売新聞2020.6.8> 2次補正予算 野党、委託費問題で攻勢 2020.6.8 小林 勝

2次補正予算 野党、委託費問題で攻勢

きょう審議入り 政府、早期成立図る

 

 国会は 8日から、新型コロナウイルスの感染拡大に対応した 2020年度 第2次補正予算の審議をスタートさせる。野党は「持続化給付金」や「GO TO キャンペーン」の事務委託を巡る問題を集中的に取り上げる方針だ。政府・与党は守りの姿勢に徹し、17日の会期末まで無難に乗り切りたい考えだ。

 「非常に不透明な部分がある。しっかりと(実態を)明らかにしなければならない」

 立憲民主党の 逢坂政調会長は 7日のNHK番組で事務委託費に関する一連の問題についてこう語り、国会審議で徹底追及する姿勢を強調した。中小企業に 最大200万円を支給する「持続化給付金」では、国から 769憶円で業務委託された一般社団法人「サービスデザイン推進協議会」が、749憶円で電通に再委託している。これに「差額の 20憶円が中抜きされた」(社民党の 福島党首)などと批判が集中した。共産党の 田村政策委員長は同番組で「なぜ幽霊団体のようなものが設立されたのか」と述べ、協議会の業務実態をただす考えを示した。

 旅行や外食の需要を喚起する「GO TO キャンペーン」では、事務局の委託費の上限が総事業費 1・7兆円の18%にあたることから、野党が「巨額すぎる」と訴えている。政府は事務局を務める事業者の公募をいったん中止することを決めたが、国民民主党の政調会長は「国民の疑念に答えられないから先送りになった」と制度設計の甘さを批判した。

 一方、政府・与党は、補正予算案を 11日に成立させたい考え。自民党の 田村 憲久政調会長代理は同番組で「補正予算案を早く通して国民に安心していただきたい」と 強調した。公明党の 石田政調会長も「スピードと正確性、国民への説明責任を並立させることが大事だ」と同調した。

 国会では与野党が鋭く対立するような法案は残っておらず、補正予算案を処理すれば山場を越える。検察庁法改正案を巡る混乱など安倍政権への批判がやまないことから、政府・与党は予定通り17日に国会を閉じて「小休止」を入れたいのが本音だ。8日は 麻生財務相の財政演説と各党による代表質問が行われる。9、10日の衆院予算員会での審議を経て、10日午後の衆院本会議で補正予算案が採決される。