<引用・参照/mbsNEWS 2020.5.25> 観光の京都が悲鳴 2020.5.26 小林 勝

観光の京都が悲鳴 「観光地」観光客の姿無し

「ゲストハウス」相次ぐ廃業

「修学旅行」全て延期かキャンセル

 5/25(月) 16:49配信

MBSニュース

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京都の経済を支えてきた「観光」ですが、4月の訪日外国人の数は去年の同じ時期と比べ99.9%減少しました。古都・京都で悲鳴が上がっています。

観光客の姿が消えた京都

観光客が多く訪れた京都

インバウンド、そして国内からも観光客が訪れる京都。2018年は8500万人以上が訪れ、観光による消費はなんと約1兆4000億円でした。あまりの観光客の多さにトラブルも続出し、「観光公害」とも言われました。

京都・祇園

それが一転。新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言が出されると、自粛要請もあり京都の街から観光客が姿を消しました。

京都駅前に出来たタクシーの列

京都観光の玄関口・JR京都駅。ここでタクシーを待つ観光客らの列ができるのですが、今はタクシーが列になり、待ちぼうけです。 「(Q待ち時間は?)4時間かな。4時間やったら早いやん。」(タクシー運転手) 「観光あっての京都やから、観光客がいないと大変な状態ですね。」(タクシー運転手)

どら焼き店の店員(京都・嵐山)

休業要請が一部解除された5月中旬、人気の観光地・嵐山でどら焼き店で働く方に話を聞いてみると… 「売り上げ何割減とか言うじゃないですか。うち99%減ですよ。そりゃもう苦しいです。」(どら焼き店・店員)

懐石料理店で働く男性

祗園界隈では、懐石料理店で働く方に話を聞きました。 「接待を伴う飲食と、海外のお客さんも来られないということで、かなり厳しい状況ではありますね。」(懐石料理店)

ゲストハウスの相次ぐ廃業

京都簡易宿所連盟 ルバキュエール裕紀副代表

さらに、京都市内のゲストハウスは相次いで廃業に追い込まれ、京都駅の近くにあるゲストハウスも5月はじめに廃業しました。 「渡航規制でキャンセルが波のようにきて、『ああもうあかんな』みたいな。」(ゲストハウスを閉館した飯田章仁さん) 京都簡易宿所連盟の調査では、市内のほぼ全ての施設で売り上げが8割以上減り、約8割が休業しています。また、確認できているだけでも10件以上廃業したといいます。京都簡易宿所連盟のルバキュエール裕紀副代表に話を聞きました。 「インバウンドの方たちがまた日本に来てくださるというのは、さらに時間がかかるのかなと思います。これがまだ序章に過ぎないんじゃないかと。今後さらに廃業が増えていくことが予想される中、厳しい未来が待っているなという気がしています。」(京都簡易宿所連盟 ルバキュエール裕紀副代表)

修学旅行の予約「全てキャンセルや延期」

『ギオン福住』(京都・東山区)

老舗旅館も例外ではありません。京都・東山区にある創業約100年の旅館『ギオン福住』。今年3月の売り上げは去年と比べ8割減り、4月から休業しています。年間2万人もの修学旅行生を受け入れていましたが…。

ギオン福住 山田周蔵専務

「60畳の大広間になっておりまして、普段でしたら毎日修学旅行があるので全ての食事のテーブルがセットされていて、

大広間にセットされた食事テーブル

このように(部屋が)スカッとしているというのは大変珍しい状況です。」(ギオン福住 山田周蔵専務)

赤い×印が目立つ予定表

4月中旬~7月まで1万人の修学旅行生が訪れる予定でしたが予約は全てキャンセルか延期になりました。予定表を見せて頂きました。 「×をつけているところがキャンセルおよび延期となったところです。6月は予約の状況が良く30日間まるまる修学旅行の予約が入っていましたが、キャンセル及び延期。」(ギオン福住 山田周蔵専務)

布団が湿気るのを防ぐため週に1回は布団を敷く

続いて案内していただいたのが宿泊者のいない客間です。なぜか布団を敷いています。というのも… 「休館中になって、布団の出番が少なくなっているので、少し広げて空気を布団に入れています。」(ギオン福住 山田周蔵専務) 布団が湿気るのを防ぐため、週に1回は客間に布団を敷きつめているのです。

通信販売用の出汁を詰める作業

かつて料亭だった福住では、出汁の通信販売を始めました。ほとんど利益は出ないといいます。宣言が解除されても都道府県をまたぐ移動については自粛が要請されていて、営業をいつ再開するのか決めかねています。 「他府県の方にお越し頂いて、初めて京都の観光業は成り立っているので。緊急事態宣言が下げられた後に他府県間の移動自粛が残ってしまうと、京都に他府県の方が観光を目的に来るのはなかなか難しいのかなと思います。」(ギオン福住 山田周蔵専務取締役) (5月22日放送 MBSテレビ「Newsミント!」より)